今回は「とめ」「はね」「はらい」の中から「とめ」について書いていきます。
文字を書く上では基本中のキホンですね。毛筆を扱う上ではこれが出来ていないと上手な字にはなりません。この練習に最適なのが第一回の漢字「永」なのです。時には初心に戻って見るのも良いですね。
今回の漢字は「三」です。三途の川、三位一体、三傑等の言葉がありますが、「三」という漢字自体に数の意味があるので、数にまつわる言葉が多くなっています。
この漢字は指事、三本の横線で数を示すことから出来た文字のようです。
漢字の意味は、みっつ。基数の3。漢数字では「参」とも書きます。異字体では「弐」という字に一本足した(二を三にした)漢数字もあるようです。
読み方は「サン(サム)・み・みつ・みっつ」、名付の場合は「かず・かみ・こ・さぶ・さむ・そ・そう・ぞう・ただ・なお・み・みつ・みる」等の読み方で使われている様です。有名な戦国武将では石田三成がいますね。
「とめ」についてポイントを説明したいと思います。「とめ」ですが、毛筆の場合はただ筆を止めれば良い訳では有りません。
「1.止め方の違い」では「とめ」を行った部分に丸をつけていますが、三箇所とも違うやり方で「とめ」を行いました。上の横棒は、上に向かって若干反っています。真ん中の横棒へ向かう事を意識して捻りが入っています。真ん中、軽く腰を落ち着けるように「とめ」、下はバランスを見て形を整えながら「とめ」を行っています。イメージすると「2.とめ方」のようなイメージで書いています。―が筆の動きで、○は「とめ」を行った部分です。書体や書風によって変わりますが、私は止めた後に筆の腰を落ち着ける様なイメージで軽く抑えて、次の点画に向けて筆を捻ります。抑え加減は字の大きさによって変わりますので、練習が必要です。その後、次の点画の入り方をイメージして筆を紙から離しますが、落ち着けた箇所から穂先にかけて徐々に離すようにしています。そうする事で整った点画を書くことができます。「三」を書く際に気をつけているポイントをご説明します。「3.字のバランス」に赤線を入れましたが、横棒の間をできるだけ等間隔にし、真ん中がくびれる様なイメージで書いています。入り方は前回ご説明した通りです。「とめ」は筆の種類、書体、書風によって変わりますので、色々と工夫してみてはいかがでしょうか。
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