皆さんこんにちは!おこげです。 たまには毛筆を書いてますか?
今日は、点画の書き方(横線)について触れていきたいと思います。
点画の書き方については、流派や教える先生方によって違いがあります(色々あります)ので、ここに書いている事は一つの参考としてご覧いただければ幸いです。
【書く前の準備・補足】
太筆の場合についてですが、ほぐした穂先に墨を「十分」に含ませます。磨った墨等に鋒を浸すのですが、この時に必要な部分だけ「チョンチョン」という感覚ではなく、 「ドバっと」鋒全体を思い切って浸けるようにします。筆を回転させて前後左右 に「これでもかっ!」というくらい十分に墨液に浸すことがポイントです。 特に使い始めの場合は墨を十分に含んだ様に見えても鋒の中心部の方には浸透していない事もあり、書き始めた瞬間にかすれてしまうことがあります。かすれについては芸術性の要素以外はあまり良い見方が有りませんので、気を付けたいところです。
【筆で文字を書く時のポイント】
いよいよ筆で文字を書いていくわけですが、毛筆で文字を書く時の筆の使い方に関する基本的なポイントを簡単にまとめましたので、参考にしてみて下さい。
・筆は力強く握らず、優しく持つ(保持するだけ)。
※強く握ると指先や手首まで固くなり、力加減や筆遣いに悪影響を与えます。
・書く時は手首だけではなく、腕や肩など体を使って書くことを意識する。
・常に穂先を使う。穂先(鋒の一番先端)を意識する。
・書き始めは穂先から徐々に筆をついていき、書き終わりは穂先に向かって徐々
に筆を上げていく。(穂先に始まり、穂先に終わる。)
・全体筆の角度 (寝かす起こす) を調整する。
・穂先が捻じれない様にし、捻じれたら一旦硯などで整える。
上記ポイントに注意して書くと良いと思います。
これらを踏まえ、横線を書いていきましょう。
【横線の書き方】
これから横線を書いていくわけですが、ただ単に紙の上に筆をついて真横に引けば良いだけではありません。それでは何の味気もないただの「棒線」が目の前にあるだけです。また、きちんと穂先を意識して書いたとしてもただの「棒線」になってしまいがちとなります。横線を書く時に行う筆遣いについて、書き始めから書き終わりまでの重要なポイントを説明していきます。
【始筆・起筆(しひつ・きひつ)】
文字の書き始め、筆を入れる事を始筆(または起筆)と言います。始筆として最も基本とされるのは、書こうとしている線に対して斜め45度の角度をつけ、若干線を書くような気持ちで鋒の穂先から腰のあたりまで降ろします。始筆のイメージとしては「点をうつ(書いたら一旦筆を止める)」感じですね。要点としては、一画を一つのまとまりとしてダラダラ書くのではなく、節目ごとにきっちり「一息腰をつく」様にする事です。
【送筆(そうひつ)】
始筆の後、メインの点画(横線)を書いていくことを送筆と言います。始筆で腰のあたりまで紙につけた後、穂先を紙に接した状態で軽く筆を浮かせるようにしてから、横に筆を動かしていきます。 この時、筆の向き(角度)は始筆時の斜め45度のまま線を引いていきます。送筆によって点画の表情(表現)に違いが出てくるといっても過言ではないと思います。例えば、緩急をつけたり筆圧の強弱をつけたりすることでその表情が変わり、そこに「かすれ」をプラスすることで更に芸術的な表現を行う事ができるわけです。送筆で最も重要な事は、形に囚われた「単調」な線ではなく「生きた線」を書く事です。
【終筆(しゅうひつ)】
送筆の後、点画の書き終わりを終筆と言います。大体の場合はとめ・はね・払い等の処理を行いますが、とめ・はね・払いのちょっとした違いによっても全体の見え方が全然違って見えるようになります。横線の場合は大体が「とめ」となります。「とめ」は、送筆の後終筆ポイントで筆を止め、軽く(鋒の)腰をつきます。(点を書くイメージです。)その後、穂先を残して軽く筆を上げて送筆してきた方向に向かって、穂先で三角形を書くようにする(突き返すイメージですね)と尚、良いと思います。
始筆・送筆・終筆これら3つのどれか一つでも欠けてしまえばバランスが崩れます。この3つのポイントが揃って初めて良い点画、ひいては「生きた線」を書くことができると言っても過言では無いと思います。
ここに挙げた以外の技法も有りますので、ご自身の書き方や作風(書きたい字)に合うものを取り入れるようにすると良いと思います。
この記事へのコメントはありません。