皆さんこんにちは!おこげです。
「たまには毛筆を」書いてますか?
これから書道を始めたい又は始めたばかりという方に知っておいていただきたい筆の洗い方や保管方法を、私自身の体験や経験を教本に書かれている内容と合わせて伝えしていきたいと思いますので、こんな方法もあるんだと参考にしていただければ幸いです。私の筆は長いもので15年以上使用していますが、特に痛むことなく今日に至っていますので、日常のお手入れをしっかりと行う事が道具の寿命を延ばすと共に、性能を十分に発揮させるという点でも重要であるという事を実証しています。
【日常のお手入れ】
太筆と小筆のお手入れについてですが、何か特別な事をする訳ではありません。筆は使用したら墨が固まってしまう前に洗い(又はふき取り)ます。
太筆の場合、使用後は必ず鋒の墨を含んでいる部分を良く水で洗います。鋒は細い毛の集合体ですから、毛細管現象によって付け根の方まで墨は浸透しています。表からは見えませんが中心の方はかなり真っ黒になっています。洗い方としては、「流水」と「容器に溜めた水」の2通りが有ります。環境によってどちらかを行いましょう。
流水の場合:付け根の方から流水をかけ、必要に応じて優しくもみ込むなどして、しっかりと墨を落とすことが重要です。終了の目安として、流水の中心に黒い線が無くなる(極力細くなる)まで洗いましょう。
容器の場合:容器の水の中で筆を前後左右や回転させる(撹拌するようになど)して水の中を泳がせます。水が真っ黒になるので、水を入れ替えては洗うを繰り返します。終了の目安としては、容器の水が透明に近い事(近ければ近い程良い)ですね。容器で洗う時の注意点は、穂先で容器の底を突っつかないようにします。これを行うと筆が痛みます。
洗いが不十分だと次回使用するときに毛先が良くほぐれません。例えていうなら「整髪料(ジェル)でまとまって固まっているような感じ」になり、思う様に筆が言う事を聞かなくなってしまいますので気を付けたいところです。
洗い終わったら、書き損じや拭くもの(タオルなど)で根元の方から毛並みをそろえるようにして水分をふき取って、筆架または壁掛け(フック類)等に掛けるか、風通しの良いところに置きます。場所が無ければ筆巻きに納めても良いと思いますが、時期によってはカビるので風通しの良いところに置きましょう。ある程度乾いてきたら、筆おろしの要領で鋒を指の腹などでほぐしておくと風が通るのでしっかり乾かすことができます。干しっぱなしにすると鋒が風化するので、適宜しまいましょう。そうすることで、いつでも書きやすい状態にしておくことができます。墨を付けたまま放置すると、墨に含まれる膠(にかわ)によって筆が固まってしまい、次に使用するまでの時間を必要以上に要したり、墨枕が出来たり、腰を砕いたりと、鋒を痛める事に繋がります。また、毛をコーティングしていた墨が剥がれ落ち、書いた字に乗って汚したり、字がボコボコになったりもしますので、太筆を使用した後は洗う事をおすすめします。洗面台が墨で汚れる事が気になる場合は、メラミンスポンジを使ってみて下さい。綺麗に墨汚れが落ちるのでとても重宝しています。(まずは目立たない部分で試して下さい。)
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小筆の場合、 基本的に洗いません。洗わない理由ですが、洗うと腰の方で良い仕事をしている、必要な糊まで落ちてしまい腰砕けになって使い辛くなります。 書き損じた紙やティッシュペーパー又は布(ウエス等)を水やお湯で湿らせ、穂先を整えるように「やさしく撫でるように」して墨を拭きとっていきます。終了の目安としては、墨が有る程度落ちてきてふき取っている物に書かれている線が薄くなっているかで見極めます。ふき取り終わったら太筆と同様に穂先を整えて風通しの良いところに置き、乾燥させましょう。
【持ち運ぶとき】
持ち運ぶ場合:穂先を痛めるリスクが高いので必ず筆巻きに納める様にします。無い場合は筆巻きの代わりに、紙などを巻いて鋒を保護すると良いと思いますが、筆を所有している場合は必ず持ちましょう。
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【保管方法(長期保存)】
たまに使用している分には、箱などの容器に納めておいても問題有りませんが、購入状態のまま長期間保管しておくと虫に食べられてしまう事があります。特に固め筆はフノリを使っているので虫に食べられやすいみたいです。(私も虫食い筆に遭遇した事があります。)
虫食いの対処法:「防虫剤」を入れた箱に納め、湿度の低い場所で保存すると良いと思います。
梅雨時季は特にカビ発生のリスクも高くなるので、カビの対処法として湿気に注意(乾燥材などで調節)して、定期的に外に出して空気に触れさ、長期間押入れ等にしまい込まない様にしましょう。どうしても長期保存する場合は、濃いめの墨をたっぷり鋒に付けて干し固めるという方法もある様です。筆を長期間保存する場合は時折点検するなどして、保管状態に気を配りましょう。
大事に保管するのも良いですが、使ってあげることが道具にとっては大切な事ですし、後片づけは「感謝の気持ち」を忘れないようにしたいですね。
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