今日は新年号についてお話ししていきたいと思います。昨日(2019年4月1日)、遂に新元号が発表されました。新元号は、「令和(れいわ)」です。昭和、平成の時代を生きてきた私にとってこの新元号を始めて聞いた時は正直なところ、違和感しかありませんでした。とは言うものの、今から31年前に現在の元号「平成(へいせい)」が発表された時も同じような感じでした。つまりは、慣れなんでしょうね。
さて、この令和は有識者会議によって決定した様ですが、新元号の出典は「万葉集」の「梅花(うめのはな)の歌32首序」だそうです。その内容は「初春の令月にして、気淑(よ)く風和ぎ、梅は鏡前の粉を披(ひら)き、蘭は珮後(はいご)の香を薫す」というもので、元号に込めた意味は「人々が美しく心を寄せ合う中で、文化が生まれ育つ」だそうです。ちなみに令月とは、「物事をするのに縁起の良い月」の事で令日という言葉もあり、違いは月か日かとうい事です。「令和」の典拠については別の記事に詳しく書いていますので、是非ご覧ください。→ 令和の典拠について
ところで、この令和という漢字を見て違和感を覚えた人がいるのではないでしょうか?私もその一人で、「令」という漢字が私達が普段書いているものと形が違うんですよね。「1.レイ」に示しましたが、4画目以降がカタカナの「マ」の様な形の字が、普段私達が書いている「令」という漢字なんですね。では、この2つの漢字に違いがあるのでしょうか?調べてみると、特に意味等に違いは無く、書き方(文字の形)だけが違う様です。漢字には色々な書体(字体)があるので、その違いなのかと思いましたが、本やPCの表示上異なっているだけのようですね。
「令」という漢字ですが、会意で△印+人のひざまずく姿で、人々を集め神や君主の宣告を伝える様を表しています。また、清く美しいという意味も有ります。
読み方:音「レイ・リョウ」
名付け:おさ・なり・のり・はる・よし等の読み方で使われている様です。
この漢字の意味は、神のお告げや君主、役所、上位者のいいつけ。清らかなお告げ。
「令」を書く上でのバランスと筆運びについて、「2.バランス」に示します。全体形状を赤線で示した菱形に収まるようにします。1、2画目の中心をこの漢字の中心として、バランスが取れるように点を打ち、上下の中心(青)線の高さ中心寄りで横画を書き始め、最後の縦画は左右の中心(ほぼ字の中心)から真下に引き伸ばします。
「令」を書く上での筆運びを「3.筆運び」に示します。赤ーが筆の動き、○が止め、○の先のーがはらいを意味します。「2.バランス」に示す漢字のバランスに注意しつつ、筆を運びましょう。この字を綺麗に書く上で重要なポイントは、①1、2画目が広がり過ぎないようにし、2画目のはらいを筆の穂先が外側を通るようにして、しっかりととめてから、はらいます。②4画目の転折は筆の腰をしっかり落ち着けて行います。③5画目の縦棒はしっかりと入りの処理を行い、縦にまっすぐに引き伸ばし、止めた後は「く」の字を書く要領で折り返し処理を行います。
「和」を書く上でのバランスと筆運びについて、「4.バランス」に示します。全体形状を赤線で示した形に収まるようにします。「のぎ偏」に対して、旁の「口」が小さいためバランスが取れるように書く位置を 上下の中心(青)線の高さに合わせることが重要です。
「和」を書く上での筆運びを「5.筆運び」に示します。赤線が筆の動き、赤○が止め、赤○の先の線(又は黄色線)がはらいを意味します。「4.バランス」に示す漢字のバランスに注意しつつ、筆を運びましょう。この字を綺麗に書く上で重要なポイントは、①2画目の力強い入り、②3画目の処理(永字八法の縦画「弩」の処理要領です。)、③口の強い入り、④口の強調した太めの転折と書き終わりの丁寧な処理です。
今回の「令和」ですが、筆は「白雲心(あかしや製)」を使用しました。この筆は柔らかめの兼毫筆なので、羊毛筆に近い表現をすることが出来ながら、扱いやすいという特徴があります。皆さんも毛筆で「令和」を書いてみませんか?
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