今回は、複合点画について書いていきたいと思います。漢字は、この複合点画によって構成されていますが、複合点画自体が漢字として成り立っているものも有りますので、漢字を書く上でとても重要な要素となってきます。
今回の漢字は「雪」です。
「雪」は会意文字で、「ヨ」の部分が、ほうき・掃くという意味を持っている文字が略されたもので、空から降って掃き清めるゆきという意味で成り立っています。
読み方:訓「ゆき」 / 音「セツ・セチ」
名付け:きよ・きよみ・きよむ・そそぐ・ゆき等の読み方で使われている様です。
意味は、空から降るゆき。ゆきの様に白い。他に、清めるという意味も有ります。
雪を使った 言葉には、 雪白、雪花、雪月花等が有りますが、どれも白や綺麗な物の例えとして使われています。過去、仕事の都合で新潟県の中越地方に居た事があるのですが、車窓から見た雪景色は、真っ白く太陽の光に輝いて、とても幻想的で本当に美しいものでした。それと同時に雪かきの大変さも体験しました。
複合点画とは、冒頭で述べた通りのもので、それ自体が漢字としても意味を成すものであり、偏(へん)や旁(つくり)または部首(ぶしゅ)と言われ、漢字を示す上でとても重要なものです。 「1.複合点画」に赤字で示しましたが 雪という漢字では「あめかんむり」がそれに該当します。部首や偏・旁をお互いに理解していれば、雪という漢字を他者に伝える際、「あめかんむりの下にカタカナのヨです。」と言う風に伝えることができますね。因みにヨは「けい・けいがしら」と言う部首のようです。
この漢字のバランスを「2.バランス」に示しました。中心である青線を基準に左右がほぼ対象になっています。赤線は大まかな形状を表していて、あめかんむりを横に膨らむ様に大きめに書き、その下にヨを書き入れます。ヨの緑線で示している横棒は、あめかんむりの横棒と同じ長さにし、桃線に示すように上下の位置を等間隔にして、赤線に示すように下に行くに従って、若干すぼめる様にすると、全体的なバランスがとれると思います。また、雨かんむり内の4つの点についても、左右の位置を対象にして少し寝かせるようにすると良いと思います。
この字の筆運びを「3.筆運び」に示しました。赤ーが筆の動き、赤○がとめ、黄ーがはらいを示しています。この字は全体的にとめの割合が多いため、どうしても強弱のないラインになってしまいます。こういった漢字は書く上での難易度が非常に高いと思います。また、あめかんむりとヨに転折が含まれていますので、角の処理を上手に行わないと貧相になってしまいます。色々なところにはねが入っていますが、基本的にはあめかんむりのはねのみとなります。余分にはねてしまっているので、ご承知おき下さい。
とめ・はね・はらいを中心とした基本点画を上手に処理する基本的な筆使いこそ、書道の上で最も重要なポイントともいえるでしょう。とにかく練習あるのみですね。 また、書体や書風によっても点画の処理方法は変わって きますので、自分にあったものを探してみてはいかがでしょうか?
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