【毛筆で書く命名書き】「泉」

今回は「とめ」「はね」「はらい」の中から「はらい」について書いていきます。
はらいは、毛筆を扱う上では最も重要な要素だと思います。はらいも硬筆と毛筆に共通するもので、キレイに出来ると、良い字が書けたと感じる事が多いですね。また、はらい一つで字のイメージが変わるといっても過言ではないと思います。はらいを含めた、基本点画の練習に最適なのが第一回の漢字「永」と言うことは、言わずもがなですね。

今回の漢字は「泉」です。
黄泉・泉石・温泉等の言葉がありますが、どれも水に関係する言葉ですね。個人的には温泉が大好きです。屋久島にある平内の温泉が大変良かったのを覚えています。色といいヌメヌメ感といい最高でした。何回も行ける様な場所ではないだけに余計そう感じたのかも知れませんね。

この漢字は象形文字で、丸い穴から水の湧き出るさまを描いたものだそうです。
漢字の意味は、いずみ。地表に湧き出る水。狭い穴をうがつようにして湧き出るいずみ。みなもと。
読み方は「セン・ゼン・いずみ」名付の場合は「い・いずみ・きよし・ずみ・み・みず・みぞ・もと」等の読み方で使われている様です。

はらいについて説明します。「1.はらい」1.はらい赤と青丸に示した箇所がはらいです。はらいとは、左右どちらかまたは中央を起点とし、下または斜め方向斜に向かって伸びる点画を書いた時に、末端に向かって、「ほうき」を掃くように筆を使う技法のことを言います。左右ではらいの形が違っており、一般的には斜め左方向に向かう場合は、徐々に細くして「ほうき」で掃くようにします。斜め右方向に向かう場合を、「2.ポイント」に示します。青い線は筆の腹の動き、○はとめ、黄色2.右はらいのポイントの線は穂先の動き、○はとめを意味します。末端に向かって徐々に太くして(赤ライン)、はらいの直前でいったん「とめ」(青丸)てから「ほうき」を掃くようにします。ここでのポイントは、①とめてから筆の向きを変えない(穂先が腹の上または斜め上にあること)、②はらいの時に筆の腹(青丸)から穂先(黄丸)にかけて力が流れながら、穂先ではらっていることを意識する、③はらいは斜めではなく横方向に行うということです。これらのポイントを注意しながら練習すると、はらいが上手に書ける様になると思います。3.バランス
「3.バランス」にこの字を書く際の運筆とバランスを示します。赤線は筆の動きを、○はとめを表しています。青線は中心と大まかな字の形を表しています。中心から左右対称にし、全体的な形として末広がりにするとバランスよく落ち着くと思います。はらいは、とめ・はねとは違い、書体によって書き方が変わります。書風または書く人によっても様々です。ここでは一般的なもの(基本)について説明しましたが、基本を理解した上でそれぞれの違いを楽しむのも良いと思います。自分の好きなはらいを探して、色々と工夫してみてはいかがでしょうか。

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このブログを書いているおこげです。
2児の父(育児見習い)でサラリーマン。
仕事に子育てに日々打ちのめされながらも奮闘しています。
書道を趣味として嗜み、かれこれ20年近く経ちます。その他、弓道、古武術、お茶(かじり程度)も嗜みます。
和のものが大好きで、たまに神社・仏閣も巡ります。
ブログを綴りながら、自分自身の書道の腕もレベルUPできるように頑張っていきますので、宜しくお願いします。
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