今回は基本点画の次に使用頻度の高い点画について書いていきたいと思います。「永字八方」の点画が変化(または応用)した感じになりますが、この点画がしっかり書けるか、否かで文字全体の見映えが変わってきます。
今回の漢字は「成」です。
【漢字の成り立ち】
「成」 は「会意兼形声」で、「戈」(ほこ)という字に「丁」(ちょう・打ってまとめ上げるという意味の字)がくっついて、ひとまとまりの字になったそうです。
【漢字の意味】
意味は、 「なる・つくろうとしたものが仕上がる・できあがる」等の意味を持ちます。
【読み方】
訓「なる」/音「セイ」
【名付け読み】
あき・あきら・おさむ・さだ・さだむ・しげ・しげる・なり・なる・のり・はかる・はる・ひで・ひら・ふさ・まさ・みち・みのる・よし・な・等の読み方で使われている様です。
しげという読み方では、北条綱成(ほうじょうつなしげ)や、楠木正成(くすのきまさしげ)等が当てはまりますね。
【名付け例】
男子:大成(たいせい)、晃成(こうせい)、琉成(りゅうせい)などがあるようです。
女子:咲成(さな)、凜成(りな)、千成実(ちなみ)などがあるようです。
【画数】
新字体=6画
成を使った言葉には、成功、大成、成就、成果・・・等々の言葉が思いつきますが、これらの言葉の共通点は何かを行った結果という事を表現していることが分ります。成功も良いですが、個人的には失敗を経験する事の方が重要だと思っています。ただ失敗するだけではなくその失敗について「なぜ失敗したのか?」を考え、経験を積み重ねていくことが成長をする事に欠かせない経験値になると思っているからです。しかし同じ事を繰り返してしまうんですよね。
「永字八法」の応用版点画について「1.応用点画」に赤字で示しました。「永字八法」では、点、横線、縦線、斜め線、(はらい含め)でしたが、この点画は三日月の様にしなっている事が特徴です。この点を書く際には、適度にしならせる事が重要となります。
この漢字のバランスを「2.バランス」に示しました。漢字全体の形は赤線に示す、台形に納まるようにすると落ち着きます。青線は中心を示していますが、「1.応用点画」で赤字で示した「 戈 」のしなり点画の起点とすると左右のバランスが取れます。つまりは、上底の中心から、下底の角に向かって線を引くイメージですね。漢字右上の点ですが、紫線( 戈 しなり線の起点)と緑線(戈 しなり線の終点)が交わった部分に書くと、付かず離れず、丁度良いと思います。
筆運びを「3.筆運び」に示します。赤ーは筆の動き、赤○はとめ、黄線ははらいを意味しています。この字を書く際のポイントとしては、「 戈 」部しなり線のしなり具合・長さ・最後の跳ねに気をつけながら、全体的なバランスを考えて書くと良いと思います。特にこの斜め線は書き始めと終わりの処理の仕方で漢字全体の見栄えが変わってくるので、筆の入り方と終わり方についても注意をしたいところです。
次回は、基本的な筆使い(入り方と終わり方等)について実践していきたいと思います。
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