今日は「草かんむり」について書いていきます。
草かんむりは、読んで字の如く植物に関する漢字に使われている部首の一つで、人名や地名などに幅広く使用されている為、書く頻度もそれなりに高いのではないでしょうか。
今回の漢字は「花(はな)」です。
「花」は会意兼形声で、化の部分は立った人が座った姿に変化した(形が変わる事)を表していて、そこに植物を表す草かんむりが付く事で、つぼみが開き、咲いて散るという様に、姿をいちじるしく変える植物の一部分を表しています。
読み方:訓「はな」/音「カ・ケ」
名づけ:はな・はる・みち・もと・か等の読み方で使われているようです。
漢字の意味はいくつかあり、植物のはな。華やかに姿を変えやすいはな。日本では特に桜の花のことを指す。美しくて派手なものなどなど。
日本は四季折々に色々な花が咲きますが、特に今の時期「春」は暖かくなり始め、各地で桜が咲き誇っています。地域によっては散り始めているのではないでしょうか。この時季の山々の様子を見た事がありますが、色々な木々の緑の中に薄桃色の桜がところどころに咲き誇り、なんと風情の有る事か!と感じ入った事があります。正しく 「山花開いて錦に似たり」。この言葉は、数年前のお茶会(野点)を観覧した際に、掛け軸に当たる部分に書かれていた言葉なのですが、元々は禅語のようです。禅語について上手に説明できませんが、大変感慨深いものがありますので、ご興味のある方は一度触れてみてはいかがでしょうか。
「花」という漢字を書く上で気をつけているバランスを「1.バランス」に示します。 「草かんむり」ですが「一」に対して2本の縦線が上下均等の長さで書くことを意識しています。 赤線で示していますが、この字は「草かんむり」から「化」に移るに従って、青線の中心に対し下に行くに従って左右均等に広がるようにすると、全体がきれいに見えると思います。「イ」の斜め線が長すぎてもバランスが悪くなる為、気をつけています。「ヒ」については、緑線で示すように、「イ」の縦線よりも若干上に位置するようにすると良いと思います。
筆運びについて「2.筆運び」に示しましたが、緑線部の入り方は前回の「桜」でご説明した通りの技法を実践しています。赤線は筆の動きを、赤丸はとめを表しています。とめに関してですが、赤丸が2個付いている部分があり、こちらはとめの処理を2回行っているという事です。1回目は軽く、2回目でしっかり腰をつくようにしています。この他、とめを行った際に形を整えるという技法もあるようです。色々と技法はありますが、形にばかりとらわれてしまうと、たとえ良い字が書けたとしても線が死んでしまうので、文字(または作品)自体に「味」がなくなってしまいます。線が生きた字を書ける様にしていきたいと思います。
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